考えないということ

以前、小池龍之介さんの「考えない練習」という本が売れたように記憶しています。

考えないというのは、案外難しいことなのかも知れませんね。

考えない=怠け者、いいかげん

こんなイメージなのでしょうね。私は毎日の診療の中で「考えない」という時間を意識して持つようにしています。(座禅や瞑想をしているわけではありません。)

例えば、治療の直前は私は何も考えずにただ目の前の患者さんに向きあいます。
治療直前、私の前には患者さんの事前情報がいくつか並んでいます。

・その日の治療予定がメモしてある受付からの予約表

         予約表

スタッフの報告の言葉。例えば、「右上の5番が腫れてます。」
これならまだいいのですが、「右上に麻酔お願いします。」などという診断や判断の入った言葉もあります。

・カルテには過去の治療記録が記載されています。

以上のような情報は参考にはしますが、信用はしません。
ある程度の確率でエラーが入るからです。
ひとりでも間違ったら患者さんに大迷惑です。

私は情報をもとに考えることを辞めて目の前の患者さんだけに意識を向けます。

情報をそのまま鵜呑みにして診療に入ると危ない。


予約表への書き間違いもありますし、スタッフからの報告も事実だけでなくスタッフの診断(考え)が混入してい
ることもあります。

大切なことは、今の目の前の患者さんと向き合うこと。
そのためには、考えないことがいいのです。

私にとって「考えない」というのは、こういうことです。
こうやって読むと当たり前のことに思えるかも知れませんが、人にはこの感覚はなかなか伝わらないです。

以前、予約表の間違いが多くなった時期がありました。
スタッフにこんな指示を出したことがあります。

「最近、予約表の間違いの頻度が多くなった。治療を始める前には、予約表を鵜呑みにしてすぐに治療を開始しないこと。まずは自分自身の目で患者さんの口の中を確認するように。」

私にとっては、当たり前の感覚なのですが、これが伝わらないものなのです。

自分の仕事が責められた。
自分は信用されてない。
じゃあ、あんたはどうなのよ。

とまあ、こんな解釈になってしまった人がいて、ひと騒動になった経験もあります。

それもまた考えすぎなのです。
何も考えずニュートラルに聞くことができないから、言葉の意味が聞きとれない。

絶えず頭の中で考えている状態。


余計なことを考えないで、目の前にことに意識を向けないと、本当のことを感じ取ることはできません。

みなさんは、考えない練習していますか?

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